今日の法話

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「決まっていません」

釈由真

梅雨明けのニュースにホッとしています。新型コロナウィルスについては、夏が来ても衰えることなく、緊張の日々が続きます。お寺は高齢の方のお参りが多いので、気をつけているつもりですが、ウィルスは目に見えないので対応は難しいです。みなさまはお変わりないでしょうか。

もうじきお盆がやってきます。少しずつ準備を始めましたが、長雨の影響でお墓の草取りができずに困っていました。やっと外で働くことができます。お寺は広く空気もきれいです。体調が悪い方は無理ですが、元気な方にはお参りしていただきたいと思っています。床のリフォームが終わった本堂でお待ちしています。

先日私の文章を紹介した「自死・自殺に向き合う僧侶の会」のホームページにある「あなたへ届けたい話」の新しいメッセージにハッとしたので、今月はそれをご紹介します。

「決まっていません」   松本智量

 

「過去は変えられないけれど、未来は変えられる」

いいえ、過去は変わります。

華やかだった過去が色あせることもあれば、

つまらなかった過去がいつのまにか輝き出したこともあります。

そして、未来は変えるものじゃありません。

未来は決まっていないのだから。

決まっていないものは変えるのではなくつくりましょう。

決まっているものはないんです。

そう知ると楽になることもあるんです。

 

仏さまの知恵をいただくことによって、こだわりがなくなり楽になることがあります。私がお寺にいて心がけていることのひとつは、みなさまのお気持ちを楽にしてさしあげたいということです。生きることは大変です。でも、今ここに生かされている自分を大切に、ともに歩んでいきたいなぁ………と。

お目にかかれるのを楽しみにしています。

合掌

8月2日

 

身近な方の死をご縁として

釈由真

新型コロナウィルスの影響で自粛生活を余儀なくされ、家でじいっとしていることが多いまま、今年の春は過ぎてゆきます。みなさまお変わりないでしょうか。お寺でも、ご法事は延期や中止、ご葬儀は少人数でと静かな日々が続いています。

ホームページができたので、毎月法話をお届けしようと思いながら、いつもとは違う春を忙しく過ごしていました。3月1日にお勤めできなかった永代経を、来週の21日に極少人数でお勤めいたします。社会の状況を見極めなければいけない立場の住職は、茨城県で緊急事態宣言が解除されたことで法要がしやすくなったと胸をなでおろしています。

3月の永代経では私が法話を担当することになっていました。今年は、私にとって身近な方が次々と亡くなり、常日頃「無常」ということをみなさまにお伝えしているこの私が、寂しさのあまりじっと立ち尽くすような時間を過ごしたのでした。一緒にご飯を食べ、笑い、社会の不条理に怒り、仏さまを拝み、「傍にいることが当たり前」の方々でした。

「ありがたい」を漢字で書くと「有難い」有ることが難しい、深い意味があります。それは、「当たり前」の反対であり、今ここにいのちあることの素晴らしさを気づかせていただける言葉です。どうしても漫然と生きてしまう凡人である私です。身近な人の死という悲しみが、私を尊い真実に導いてくださいました。
みなさまがお元気に日々をお過ごしくださいますよう、心より念じております。

合掌

5月14日

「奇 跡」  前田健雄

 

奇跡とは、常識を超えた何かが起こること?

それとも、自分の願いが叶うこと?

私が生まれてきたこと。

あなたが生まれてきたこと。

そして、私たちが出会えたこと。

奇跡はもう起きていたんだね。

 

今、この瞬間も奇跡だったんだね。

「あなたに届けたい話3」より